インド入国、ビザの他に手続き3つ
2026年9月17日から22日まで、インドのムンバイとナシークにいました(現地5泊6日。帰りは機中泊で、23日の朝に帰国)。この記事は、その旅の連載「ムンバイとナシークの6日間」の1本です(準備の話)。一覧は、記事の下の連載タグからどうぞ。
2026年9月17日からインドに行くことになって、まず調べたのがビザです。ビザを取る。それで終わりだと思っていました。
終わりではありませんでした。日本のパスポートでインドに入るには、手続きが3つ必要でした。
※この記事の内容は、2026年9月時点のものです。制度はよく変わるので、行く前には必ず公式の情報を確かめてください。
3つの中身
先に、全部を並べます。この表は、8月31日に同行者へ送った「【インド渡航前にやること共有】」というまとめの中身を、組み直したものです。
| 名前 | いつ出すか | まとめて出せるか | |
|---|---|---|---|
| 1 | e-Visa(電子ビザ) | 早めに | 1人ずつ |
| 2 | e-Arrival Card(電子の到着カード) | 到着の72時間前から | 5人まで |
| 3 | Air Suvidha 2.0(健康状態の申告) | 出発の72時間前から | 1人ずつ |
何がいくらだったか
お金がかかったのは、3つのうちe-Visaだけでした。申請の書類で確かめた数字を並べます。
| 手続き | 料金 | 補足 |
|---|---|---|
| e-Visa(5年・マルチプル) | 25米ドル+銀行手数料3%(PayPalで払う場合は4%) | 計算すると25.75ドル、PayPalなら26.00ドル。許可・不許可にかかわらず返金なし |
| e-Arrival Card | 無料 | 到着の3日前、9月14日に済ませた |
| Air Suvidha 2.0 | 書類に料金の記載なし | 提出済みの申告書(2ページ)に、金額は出てこない |
e-Visaは、5年有効のものにしました。マルチプル(期間中は何度でも入国できる種類)です。書面の料金は25米ドルで、「銀行手数料を除く」という表記になっています。そこに銀行手数料の3%、PayPalなら4%が乗ります。私はPayPalで払ったので、手数料は4%のほうです。
8月31日のまとめには、「30日観光ビザで数十USD程度」と書いていました。実際に取ったのは5年のビザで、25ドルと手数料。調べた時点の見込みとは、期間も金額も違っています。
同行者に勧めた解説サイト「インドサンタナ」には、30日・1年・5年のどれも25ドル(と手数料)で、4月から6月のあいだだけ30日のビザが10ドルになる、とあります(料金の記載は2025年7月時点のもの)。つまり9月の渡航なら、30日でも5年でも料金は同じです。申請料金が30日でもそんなに変わらないということで、5年にしました。それと、インドが楽しいなと思ったら、また行くと思ったからです。結果、来年もまたインドに行きたいと思っているので、5年を選んで正解だったと思います。
5年といっても、5年いられるわけではありません。有効期限は2031年9月1日まで。1回の滞在は連続180日までで、1暦年(1月〜12月)の合計も180日までです。許可される活動は、観光とレクリエーション。最初の入国のときに許可の書面(ETA)を見せてパスポートにスタンプをもらい、2回目からはそのスタンプを見せる、という決まりでした。
3つを、ひとつずつ片づけた
最初に「これだけだろう」と思っていたのは、e-Visa(電子ビザ)です。インド政府の公式サイト(indianvisaonline.gov.in)から、自分で申請します。似た名前の代行サイトがたくさんあるので、アドレスは確かめたほうがいいです。私が申請したのは9月2日、渡航の2週間ほど前でした。仕事から帰って、自宅のパソコンで。日本語で手順を説明してくれているサイトを横に開いて、それを見ながら進めました。
用意するものは、パスポート(残りの有効期間が6ヶ月以上で、査証のページに空白が2ページ以上あるもの)と、証明写真のデータ、パスポートの顔写真ページのスキャン、泊まるホテルの正式な名前と住所、飛行機の便の情報、許可の通知を受け取るメールアドレス、支払い用のカードでした。フォームの入力は長く、両親の名前や出生地まで聞かれます。いちばん手こずったのは、証明写真とパスポートのスキャンを添付するところでした。大きさと容量の決まりが細かくて、何度か弾かれています。これは別の記事に書きます。受付のメールが届いたのは、日本時間の20時43分。許可(GRANTED)は、同じ9月2日のうちに出ています。申請したその日です。許可の書面をダウンロードしたのは翌日の9月3日で、その控えを印刷して持っていきました。受付のメールには、料金は許可・不許可にかかわらず返金されないこと、許可を公式サイトで確かめる前に飛行機に乗らないこと、も書いてありました。
次がe-Arrival Card(電子の到着カード)です。飛行機の中で配られる、名前と便名と滞在先を書く入国カードがありますよね。あれの電子版です。インドでは、2026年4月1日から、外国籍の人は全員、電子での提出が必須になりました。紙のカードは、同じ日に廃止されています。出せるのは到着の72時間前からで、無料。1人で5人分までまとめて出せます。出す場所は3つあって、入国管理局のサイトと、ビザ申請と同じサイト、「Su-Swagatam」というスマホのアプリです。入力するのは名前、国籍、パスポートの情報、連絡先、便名、渡航の目的、インドでの滞在先で、写真や書類の添付は要りません。電話番号は、日本の国番号81をつけて、先頭の0を抜いた形で入れます。e-Visaで写真に苦労したあとだと、添付が要らない、というだけで、ずいぶん楽に感じます。私の分が発行されたのは、9月14日の18時56分(日本時間。インド時間では15時26分)でした。到着の3日前です。今回は3人での旅でしたが、まとめて出したのか、それぞれが出したのかは確認できていません。
3つ目がAir Suvidha 2.0(健康状態の申告)です。もともとは、コロナ禍のときにできた仕組みでした。それが一度なくなって、2026年6月25日に「2.0」として戻ってきています。きっかけは、中央アフリカでのエボラ出血熱の流行でした。対象は国際線でインドに着く人全員で、出せるのは出発の72時間前から、渡航が始まる24時間以内まで。まとめては出せず、1人ずつ申告します。申告するのは、過去21日間にどこの国にいたか、流行地域との接点、いまの体調で、出すと二次元コードが発行され、それを到着の空港で見せます。出していないと、航空会社が搭乗させない、と説明されています。つまり、インドの空港ではなくて、日本の空港のカウンターで止まる可能性があります。手元にある提出済みの申告書は2ページで、中身は、過去21日の対象国への渡航歴、接触歴、いまの症状、便名、到着日時、滞在先の州と地区、滞在先の宿、などでした。料金の記載はありません。
段取りが厄介だった、だからやったこと
1つずつ見れば、どれもフォームに入力して送るだけです。難しいことは書いていません。厄介だったのは、3つの「いつ出せるか」がそろっていないことでした。
e-Visaは、早めに出しておくもの。私は9月2日に出しました。残りの2つは、72時間前にならないと出せません。つまり、ビザが取れて「これで準備は終わった」と思ったあとに、出発の3日前、もう一度机に向かう必要があります。しかも、片方は人数分まとめて出せて、片方は1人ずつ。「渡航前にやること」を1枚のリストにして、上から順に消していく。この進め方が、成り立ちません。3つのうち2つは、消せるようになる日が先にあるので。もっと早く出せたらいいな、と思いました。でも、決まりだからしょうがないか、と。
やったことは、調べた結果を1本のメッセージにまとめて、同行者に送ることでした。8月31日のことです。「【インド渡航前にやること共有】」という書き出しで、3つの手続きを番号つきで並べています。要点だけ抜くと、こうです。
- ① e-Visa(観光ビザ)※必須・早めに。公式サイトから申請。許可(ETA)がメールで届くので、必ずPDF保存と印刷
- ② e-Arrival Card(電子入国カード)※出発72時間前から。9/14 17:50以降に登録可能。完了後のQRコード付きPDFを保存
- ③ Air Suvidha 2.0(健康自己申告)※出発72時間前から。提出後の申告書もダウンロード保存
②の「9/14 17:50以降」は、便がムンバイに着く9月17日17時50分から、72時間を逆算した時刻です。ここまで書いたうえで、進め方の目安もつけていました。「①のビザは今のうちに済ませておくと安心」「②③は出発直前(9/14〜16頃)にまとめてやるのが効率的」。最後は「何か不明点あれば聞いてください!」で締めています。
仕組みとしては、何も作っていません。メッセージを1本送った、という話です。ただ、消せるようになる日が先にある2つを、日付と時刻に落として、人に渡せる形にしておいた。それが、このときの段取りのすべてでした。②のe-Arrival Cardは、書類を見ると、9月14日の18時56分(日本時間)に発行されていました。予定に書いた3日間の、初日です。③のAir Suvidhaも、同じ9月14日に出しました。
「Too early」と言われた
72時間という決まりには、実際に一度、はね返されています。
到着の日付と時刻を入れる欄で、こう出ました。
Too early — this form opens 74h 9m before your flight. Please return closer to your departure.
早すぎます、もう少し出発が近づいてから戻ってきてください、という表示です。入力が間違っていたわけではありません。受付が始まる時刻より前に、フォームを開いていただけでした。
このときも、画面のスクリーンショットをChatGPT(対話AI)に見せながら進めていました。9月14日のことです。細かいところで、いくつか確かめています。
- 到着時刻は、日本時間ではなくインド時間で入れる。私は最初17時45分と入れていて、航空券では17時50分着でした
- 滞在先の「District(地区)」は、最初の宿がムンバイのフォート地区なので「Mumbai City」
- 宿の欄は、「Hotel / Residence Number & Block」に宿の名前、「Street Address」に住所、郵便番号は6桁
どれも、分かってしまえば一瞬の話です。ただ、インドの住所の区切り方(州、地区、市)を知らないまま画面の前に座ると、「地区」の欄で手が止まります。ChatGPTだけじゃなくて、Claudeも使いました。AIがなかったら、エラーの原因もパッと調べられなかったので、とても便利でした。AIがなかったら、挫折していたかもしれないです。
「ビザ・到着カード・健康申告」という3つの枠
今回の準備をしていて、ひとつ、型のようなものができました。渡航の前にオンラインで済ませる手続きは、だいたい3つの層に分けられます。ひとつはビザ、または入国の許可です。事前の申請が要るのか、着いてから取れるのか。ふたつめは電子の入国カードで、紙の入国カードを電子に切り替える国が増えています。みっつめは健康の申告で、感染症の流行に合わせて、臨時で必須になることがあります。
国によって、あったりなかったり、呼び方も違います。でも、「この3つは要るのか?」と最初に確かめる、という手順は、どの国でも使えそうです。インドは、たまたま3つとも「要る」でした。しかも、2つ目と3つ目は、今年に入ってから変わったばかり。3つ目は、とくに動きます。感染症の流行に合わせて、できたり、なくなったり、戻ってきたりする。出発の2ヶ月前に調べて「要らない」と分かっても、出発の直前には「要る」に変わっているかもしれません。
まだ分かっていないこと
この「3つ」という数は、2026年9月の話です。Air Suvidhaは、エボラの流行が落ち着けば、またなくなるのかもしれません。なくなったあとに、別の理由で、また戻ってくるかもしれない。だから、ここに書いた3つの名前を覚えておいても、次にインドに行くときに使えるかどうかは、分かりません。
使えるのは、たぶん2つだけです。「ビザだけで済むと思わない」ということ。それと、「3つの枠を、順番に確かめる」という手順。次の国でも同じ手順が通じるのかどうかは、次の旅で試してみます。
行く前に知りたかったこと
- やったこと:インド入国に必要な手続きを3つ(e-Visa、e-Arrival Card、Air Suvidha 2.0)すべて行った。8月31日に3つの中身と段取りを調べ上げて、同行者に共有した
- かかった時間:e-Visaは9月2日に申請し、同じ日に許可が出た。e-Arrival Cardは9月14日の18時56分(日本時間)に発行。Air Suvidhaも、同じ9月14日に出した
- 費用:e-Visa(5年・マルチプル)は25米ドル+銀行手数料3%(PayPalは4%)で、返金なし。事前のまとめには「30日観光ビザで数十USD程度」と書いていた。支払いはPayPal。e-Arrival Cardは無料。Air Suvidhaは、書類に料金の記載がなかった
- つまずいた箇所:3つの手続きの「いつ出せるか」がそろっておらず、ビザが取れて準備が終わったと思ったあとに、出発3日前にもう一度手続きをする必要があった
- 初めてでもできるか:証明写真とパスポートのスキャンを添付するところでいちばん手こずり、何度か弾かれている
- そのとき思ったこと:もっと早く出せたらいいな。でも、決まりだからしょうがないか









