IRCTC座席クラスの違いと選び方

2026年9月17日から22日まで、インドのムンバイとナシークにいました(現地5泊6日。帰りは機中泊で、23日の朝に帰国)。この記事は、その旅の連載「ムンバイとナシークの6日間」の1本です(準備の話)。一覧は、記事の下の連載タグからどうぞ。

2Sと3Aと2Aの違いが分からないところから始まりました。

2026年9月、ムンバイからナシークという町まで、列車で移動するつもりでした。インドの鉄道の予約サイトIRCTCを開いて区間と日付を入れると、列車がいくつも出てきます。それぞれの列車に記号がついています。

※2026年9月時点の話です。

記号を、一度ぜんぶ並べてみた

調べて、手元に書き出してみました。

座っていくクラスは3つあります。2S(セカンド・シッティング)はいちばん安い座席で、エアコンはありません。CC(チェア・カー)はエアコン付きの座席。EC(エグゼクティブ・チェア・カー)はCCの上位で、席が広くなっています。横になっていくクラスも3つ。SL(スリーパー)は3段の寝台でエアコンはなく、窓が開きます。3A(エアコン3段)はSLと同じ3段ですがエアコンつき。2A(エアコン2段)は2段の寝台で、カーテンもついています。

並べてみると、2つの軸で説明がつくことが分かりました。座っていくか、横になっていくか。そして、エアコンがあるか、ないか。記号の中の「A」はエアコン(Air-conditioned)のA、数字は寝台の段数です。「S」は座席(Sitting)と寝台(Sleeper)のどちらにも使われていて、ここだけ少しややこしい。分からなかったのは記号の意味だけで、仕組みのほうは単純でした。

短い区間なら、座席でいい

乗る区間は188km。かかる時間は2時間半ほどです。東京から静岡くらいの距離で、寝台をとる距離ではありません。それで、寝台の3つ(SL、3A、2A)は外しました。

残るのは座席の3つです。このうち2Sはエアコンがありません。9月のムンバイは雨季の終わりで、蒸し暑い時期です。エアコンのない車両で2時間半というのは、試す勇気がありませんでした。

残ったのはCCとECです。違いは座席の並びにあります。CCは通路をはさんで3席と2席、1列に5人。ECは2席と2席、1列に4人で、席が広く、回転もします。値段はECのほうが高い。今回は3人での旅だったので、CCなら3席の側に3人で並んで座れます。ECだと2席と2席なので、誰か1人が通路をはさむことになる。決め方としては、ほとんど消去法でした。

乗りたい列車には、そもそも2つしかなかった

ここで、ひとつ分かったことがあります。私が乗りたかったのは、Vande Bharat(ヴァンデ・バーラト)という新しい特急でした。朝6時20分にムンバイを出て、8時57分にナシークに着きます。このVande Bharatには、クラスが2つしかありません。CCとEC。全部の車両がエアコン付きの座席で、寝台の車両もエアコンなしの車両もついていません。

つまり、6つの記号を全部調べて、比べて、絞りこんだ結果たどり着いた2つは、乗りたい列車に最初からあった2つでした。ないか。しゃあない、と思いました。列車を先に決めていれば、6つを調べる必要はなかったことになります。ただ、調べたから「この列車には2つしかない」の意味が分かった、とも言えます。SLや2Sを知らなければ、CCとECしかない列車がほかとどう違うのかも分かりません。選んだのはCCでした。実際、3人並びの席が取れています。

乗ってみて、帰りは同じクラスなのに高かった

実際に乗ったのは、9月20日の朝、22223番。CSMT駅を6時20分に出る列車の、C4という車両です。3人で2,225.40ルピー。支払いの記録では、行きの分は日本円で4,201円でした。1人あたり約742ルピー、日本円で約1,400円です。車内食もついていて、朝の列車だったので朝ごはんが出ました。

188kmを、エアコン付きの指定席で、朝ごはんつきで約1,400円。日本で東京から静岡まで新幹線に乗ると6,000円くらいして、食事はつきません。物価が違うので、そのまま比べるのは乱暴ですけど。インドにしてはちょっと高いかなと思ったんですけど、エアコン付きだったので、絶対そっちのほうが快適だと思って、これでいいなと思いました。

車内は、エアコンがかなり効いていました。一緒に乗った友人は、羽織るものが1枚あるといい、と言っています。エアコンのない2Sを避けてCCにしたら、今度は羽織るものが要るくらい冷えていた、ということになります。

帰りは、翌日の9月21日。20705番、Nashik Roadを11時に出る列車です。同じVande Bharatで、同じChair Car。ただ、この11時発は、選んだというより残っていた便でした。帰りの便は、予約の時点でほとんど埋まっていて、11時発しか取れませんでした。料金は3人で2,480.40ルピー、円では4,683円。1人あたり約827ルピー、約1,560円で、同じ区間の同じクラスなのに、帰りのほうが255ルピー高い。

調べてみると、行きと帰りは、名前は同じVande Bharatでも別の路線の列車でした。行きはムンバイからシルディという町までの340kmほどを走る列車。帰りはナンデッドという町からムンバイまで600kmあまりを走ってくる列車。ナシークは、どちらの列車も途中で止まる駅です。走っている列車が違うので値段が違うのだろう、と最初は見ていました。

でも、予約の書類の内訳を見たら、違っていました。

行き 9/20(22223)帰り 9/21(20705)
運賃1,722.00ルピー1,722.00ルピー
車内食(税込)468.00ルピー723.00ルピー
IRCTCの手数料(税込)35.40ルピー35.40ルピー
合計2,225.40ルピー2,480.40ルピー

どれも3人分の合計です。運賃そのものは、行きも帰りも同じ1,722ルピー。1人574ルピーです。255ルピーの差は、ぜんぶ車内食の差でした。行きは朝の便、帰りは昼の便です。同じクラスなのに帰りが高かったのは、列車の違いでも混み具合でもなく、食事でした。

手数料の35.40ルピーは、人数に関係なく、切符1枚ごとにかかるものです。予約の日付は、往復とも9月12日。出発の8日前で、行きと帰りの2本は23分差で続けて予約されています。

お金のほうは、円で記録が残っています。往復3人分で、手数料が221円、行きが4,201円、帰りが4,683円。合計9,105円です。当時、同行者に送った計算は、こうです。「手数料221円+行き4201円+帰り4683円=9105円」。3人で割ると、1人3,035円。割り勘はPayPayでした。188kmの特急の往復が、手数料込みで1人3,035円です。円の額をルピーの額で割ると、行きも帰りも、1ルピーあたり約1.89円の支払いだった計算になります。

分からないまま選ばない方法

結局やったのは、記号を一覧にして、自分の条件——距離、時間、季節、人数——を横に置いて、合わないものを消していく、ということだけです。

選択肢の意味が分からないまま選ばされる場面は、鉄道にかぎらずよくあります。スマホの料金プラン。保険。ホテルの部屋のタイプ。そのとき効いたのは、調べることよりも、並べて書き出すことでした。記号のまま頭の中で比べようとすると、いつまでも分からない。書き出すと、軸が見えてきます。

とはいえ、これは2時間半の移動の話です。もし次に、一晩かけて移動する距離を列車で行くことになったら、今度は寝台の3つから選ぶことになります。3段と2段で寝心地はどう違うのか、上の段と下の段どちらがいいのか、エアコンなしの寝台で窓を開けて走るのはどんな感じなのか。書き出すところまでは同じようにできても、そこから先は乗ってみないと分かりません。

行く前に知りたかったこと

  • やったこと:やったのは、IRCTCの座席クラス(2S・CC・EC・SL・3A・2A)の違いを調べて、Vande BharatのChair Car(CC)を選び、ムンバイからナシークまで乗車したことだった
  • かかった時間:移動にかかったのは2時間半だった(ムンバイ〜ナシーク、188km)
  • 料金:往路は3人で2,225.40ルピー(4,201円)、復路は3人で2,480.40ルピー(4,683円)。手数料221円を合わせて往復合計9,105円、1人3,035円で、割り勘はPayPayだった。ルピーの内訳は、運賃が往復とも3人で1,722ルピー(1人574ルピー)、車内食が往路468ルピー・復路723ルピー、IRCTCの手数料が切符1枚ごとに35.40ルピーで、往復の差の255ルピーはぜんぶ車内食だった
  • 服装:車内はエアコンが効いていて、羽織るものがあるといいと一緒に乗った友人が話していた
  • 予約:予約はIRCTC公式サイトで、Chair Car(CC)を選んで行った。予約した日は往復とも9月12日(出発の8日前)。帰りはほとんど予約がいっぱいで、11時発しか取れなかった
  • 不器用でも/初めてでもできるか:記号の意味が分からず最初は戸惑ったが、距離・時間・季節・人数を条件にして並べて消していくと、CCとECの2つに絞れた
  • 乗ってみて思ったこと:インドにしてはちょっと高いかなと思ったが、エアコン付きのほうが絶対に快適だと思ったので、これでいいと思った

写真や日々の断片は、こちらにも置いています。
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